前川泰之演じる、春日信達~インタビュー~

「真田丸」“信繁の人生を変える”前川泰之を直撃!

Smartザテレビジョン 2月23日(火)5時0分配信より抜粋

堺雅人が真田信繁(幸村)の生涯を演じる大河ドラマ「真田丸」。織田信長の死で日本中が混乱に陥る中、関東もまた上杉、北条、徳川の三つどもえの争いが激しさを増そうとしている。

2月28日(日)に放送される第8回では、前川泰之演じる武将・春日信達がキーマンに!!

信達は、武田の重臣・高坂昌信(弾正)を父に持つ武将だが、武田家滅亡後は上杉家へ。そして、かつて父と過ごした北信濃の要所・海津城の城代を任されている。真田昌幸(草刈正雄)は、この男を北条に寝返らせ、共に上杉をたたくことをたくらみ、信繁に信達の説得を命じる。しかし、その裏には昌幸の計り知れない策略があった…というストーリーだ。

今回、その春日信達を演じる前川泰之を直撃。無骨で不器用な信達の人物像信達の人物像、そして信達との出会いによって起きる“信繁の人生におけるターニングポイント”をどのように作り上げたのか、存分に語ってもらった。

――まずは、今回のオファーが来たときの感想をお聞かせください。

初めて出演した大河ドラマ「風林火山」(’07年NHK総合ほか)からしばらくたちますが、またお話をいただけてうれしかったです。脚本の三谷(幸喜)さんやスタッフさんたちの会議で、僕の名前が出たそうで、それを聞いたときは鳥肌が立ちました。三谷さんは、演じる俳優をイメージして脚本を作り上げると聞いていたので、そこで僕が浮かんでくれたのはうれしかったです。

ただ、あとあと第8回の演出を務めている田中(正)監督と話したときに、「三谷さんはもともと『ゴリラっぽい人がいい』と言っていた」と聞きまして、「そこで僕の名前が上がるんですか!?」と思いました(笑)。

――台本を読まれて、春日信達という人物にどのような印象を持ちましたか?

信達という人は、とにかく無骨で不器用で、偉大な父に自分が及ばない部分を痛感していて…そういう意味では武田勝頼に近いかもしれないですね。それに、ちょうど家督を継いだころに信玄が亡くなってしまうという、時代の流れに巻き込まれた、不遇の人といったイメージを持ちました。

――そんな信達を演じる上で苦労した点はありましたか?

信繁に説得される中で、信達の心の揺れ具合を表現するのが難しかったです。実は、堺さんや監督と「信達は“やさしい人”である方がいい」ということを話していました。いろいろなものをはねのける“強い人”ではなくて、不器用な生き方をしている“やさしい人”。だからこそ、上杉への忠義を捨てられないんです。ただ、感情の揺れが見え透いていると“弱い人”に見えるし、逆に見えなさ過ぎても…ということで、とても難しい芝居でした。

あと堺さんと話していたのは、「うまく信繁との関係性を見せたい」ということです。印象的だったのは、信達が信繁に「二度と、わしの前でこの(寝返りの)話はするな」と言うシーン。台本のト書きには「(信繁の)首根っこをつかむ」とあるんですが、このつかみ方を試行錯誤しました。

信繁は最初は身分を偽っているんですが、あるとき真田安房守(昌幸)の息子だと明かすんです。それを聞いた信達は、“お父上とは何度も共に戦った仲だ”と心を開くんですね。そこからは、言わば“いいおじさん”と“よく知っている若者”のような関係性ですね。信繁に「寝返りの話をするな」というシーンでも、かわいがっている男の子を諭すように演じたかったですし、そのためには“首根っこのつかみ方”は大事な鍵になりました。

――第8話の核となる説得のシーンですが、最初、信繁は「上杉は武田の旧臣を重用しない」と言って寝返りを求めました。信達は上杉への忠義から断るわけですが、前川さんはその内心をどのように想像しましたか?

戦の前線に出してもらえず、「武田の出身だから信用されていない」という思いもあったと思います。それを「海津城を防衛するのは重要な役目だ」と信じて抑え込もうとしていたところに、信繁たちに痛いところを突かれた感じですね。

――元武田の家臣として苦悩を続けているのは、信達の裏切りを画策した昌幸も実は同じですよね。信達は、信繁を通して昌幸を見ていたようなところもあったのでしょうか?

信達にとっては、武田の家臣だったという誇りと信玄公への忠義、そして父が城代を務めた海津城への思いが精神的な柱だったと思うんですね。信繁はそんな信達に、「父はいまだに武田の家臣であったことを誇りに思っています」というせりふを投げ掛けます。信達にとっては、“自分が武田家臣の誇りを今も持って生きていることを分かってくれるやつがいるんだ”と思える、あの一言はものすごく大きかったと思います。

そしてもう一つ大きかったのは、海津城を返してもらえるということですね。信繁と信達が話しているシーンで、庭にサルスベリの木が植わっているのですが、そのサルスベリに矢の刺さった木の的がぶらさがっているんですね。監督と「信達と父親はここで矢の練習をしたんじゃないか」と話をしました。

思い出深い場所だから、信達は何かあるとそこで花を眺めているのではないかと。だから「武田家さえなくならなければ…」とつらい心情を吐露するシーンでも、その木の的を見ながらせりふを言いました。父への思い、海津城での思い出、信玄公への忠誠…信達はそういったものから離れられない、というより、それに支えられて生きてきたんだと思います。

――出演は第8回で終わってしまいますが、信達の寝返り工作とその結末は、信繁の人生に大きな影響を与えます。物語のターニングポイントとなる回を終えて、これからのストーリーに期待していることがあれば教えてください。

信繁はずっと、信達のことを思って説き伏せていたのですが、それがああいう形になったのですごく大きなショックを受けたと思います。この出来事がきっかけになって信繁がどう変化するかには興味がありますね。

――最後に、放送が迫った第8回をあらためてどんなふうに見てほしいか、視聴者に向けてメッセージをお願いします。

時代に翻弄(ほんろう)される人々の悲哀が描かれますが、裏切りや謀略などもせざるを得ない、「真の戦国時代」を感じられる回だと思います。そこに生きる人々の悲しみを感じ取ってほしいです。それに、今回の出来事が、信繁にどのような影響を与えるかを、楽しんでほしいですね。

 

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