呂宋助左衛門(るそんすけざえもん)

戦国時代、波乱の生涯を生きた堺の伝説的貿易商人

本名は、納屋助左衛門(なや すけざえもん)。その素性と経歴にたいへん謎が多いと言われる堺の貿易商です。
1978年、市川染五郎(現在の松本幸四郎さん)が主演のNHK大河ドラマ「黄金の日日」では、この人物を主人公に描かれました。
この呂宋助左衛門が松本幸四郎さん演じるままに、「真田丸」にも登場。
脚本家である三谷幸喜さんが「黄金の日日」について一番はまった大河ドラマと語っていることから、三谷さん流のオマージュとも考えられ、往年のファンにもたいへん嬉しいスポットでのサプライズ登場となります。

 

※呂宋=フィリピンのこと

父親の代から堺の豪商・今井宗久に仕える奉公人を経て独立。貿易商を営むことで巨万の富を得たと言います。
ルソンに渡海し、当時、現地では単なる雑器という扱いだった壺を輸入。
あくまで諸外国に茶や穀物などを運ぶためのもので、価値を見いだす人のなかったルソンの壺に、色や形からわびさびを感じた助左衛門はいち早く目を付け、日本で重宝されるのではないかと閃きます。

 

石田兄・正澄に上げられ、弟・三成に下げられる

帰国後の1594年(文禄3年)、壺50個を秀吉に献上。たいへん喜ばれた助左衛門は一躍名をあげることになり、有数の豪商にまでのし上がりました。
この時、秀吉への謁見を仲介したのが石田正澄。石田三成の兄にあたる人物です。

しかし、慶長3年(1598年)、あまりに華美な生活を好んだため、今度は弟・石田三成の讒言によって、秀吉から身分をわきまえず、贅を尽くしすぎるとして邸宅没収の処分を受けることになります。
※一説には、堺の戎町の邸宅では、居室に七宝をちりばめ、庭園には珍奇な花卉を植え、当時最高の画家と言われた狩野永徳の筆による襖絵を飾ると言う豪華さ。
また、献上したルソン壺が現地人の便器だと発覚したことから秀吉の怒りを買ったとも言います。
切腹に追い込まれた千利休も、元は安価な茶器類を高額で売る事で巨額の利益を挙げており、彼ら商人の目利き次第で、雑器に過ぎないものが高価で転売されている現状を秀吉が快く思っていなかったのではないでしょうか。

 

海外でも成功をおさめた助左衛門

没収の処分について事前に察知した助左衛門は、財産を菩提寺の大安寺に寄進して日本を脱出。
その後は、カンボジアに亡命すると国王の信任を得、1607年(慶長12年)には、日本から渡航する貿易商人を管理する元締の地位にまで上り詰め、海外で再び豪商にカムバックすると言う離れ技を成し遂げたのでした。

助左衛門の先見の明と行動力は、その後の堺商人の憧れとなります。
常識にとらわれないチャレンジ精神は、現代人の我々にも参考になるところがたくさんあるのではないでしょうか。

※大河ドラマ「黄金の日日」はNHKオンデマンドでご覧になれます。

スポットでの登場人物が遊び心満載の真田丸。松本幸四郎さん演じる呂宋助左衛門登場が今から楽しみですね。

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