こう・清音院

第20話の「前兆」。稲(小松姫)を正室に迎えることで信幸から離縁されてしまう、長野里美さん演じる「おこう」さん。

ですがストーリー上、この回をターニングポイントとして、さらに魅力的なキャラクターに変貌(進化)をとげるらしい・・・という情報を得て(詳しくはこう・離縁された信幸の最初の正室の記事投稿をご覧下さい。)ますます楽しみな展開になってきています。

この「おこう」さん。その他の戦国時代の女性の例に漏れず、ほとんど資料が残っていないらしく、その生涯は謎だらけなのです。

 

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実は、信幸とは従兄妹同士!父は猛将・真田信綱(真田家当主)

生まれ年も、実はいつ亡くなったかも記録が残っていない「こう」。その名前は「清音院」とも呼ばれていました。

実は、こう・清音院は、信幸と従兄妹同士にあたる関係で、昌幸の兄・真田信綱の娘になります。

真田信綱は、昌幸の前、先代の真田家当主にあたる人物で、「若年より武勇抜群、信玄・勝頼両代のうち、攻城、野戦、その功すこぶる多し」とされた名将ですが、武田家が織田家に敗れて多数の有力家臣を失った「長篠の戦」で非業の戦死を遂げました。

この信綱、さらにもう一人の兄・昌輝が死去したことで、3男だった昌幸に真田の家督を継ぐ機会がおとずれることになります。(※当時の昌幸は武藤家の養子となり、武藤喜兵衛を名乗っていました。)

 

信幸嫡男の信吉は、こう・清音院が出産?

従兄妹同士の信幸とこう・清音院の婚姻は、昌幸が家督を継承する正当性を確保する意図があったと考えられます。(場合によっては信綱系統での真田家・継承の可能性もありました。)

実は、信幸嫡男の信吉は小松姫の実子ではなく、こう・清音院が1595年に出産したとも考えられています。稲・小松姫が信幸に輿入れすることで、こう・清音院は側室となったか、もしくは離縁されたわけですが、関ケ原の合戦(第2次上田合戦)から敵・味方に分かれた昌幸、信繁を援助するのに、徳川家臣という立場の信幸は、稲・小松姫(徳川家出身)には隠す必要があったわけです。

代わりに活躍できたのは一族の出身でもある、こう・清音院なのではないでしょうか。

長野さんもインタビューで、

実は、おこうは離縁されて終わりではないんです(笑)。実在したということがわかっているだけの女性をすごく膨らませていただいて。おこうを演じることができて役者としてうれしく思います。棚から牡丹餅のような三谷さんの愛を感じます

と答えられています。

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