第38話「昌幸」でいよいよ登場が最終話となる草刈正雄さん演じる真田昌幸。草刈さんの興味深いインタビュー記事がありましたのでご紹介させて頂きます。
スポニチアネックスより 9月25日(日)21時1分配信 元の記事でも、ぜひご覧下さい。こちらクリック
NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で主人公・真田信繁(堺雅人)の父・真田昌幸を演じる俳優の草刈正雄(64)。戦国時代を楽しむかのような豪快で飄々としたキャラクターと、草刈の熱演ぶりが相まって、今年1月の初回放送から視聴者に愛され、MVP級の存在感で作品を牽引した。草刈は、今作の昌幸を語る上で欠かすことのできない重要なシーンがあったことを明かした。
知略軍略に優れた天才武将として知られる昌幸を、熟練の演技力で巧みに演じている草刈。放送開始当初からその妙演ぶりを絶賛する声が上がっているが、草刈本人は「台本の通りに楽しく暴れていたら、こうなりました。台本の通りにやることだけを考えて(自分の中で)ここはああしよう、こうしようというのは一切考えなかったですね」と、あくまでも“自然体”の演技だったことを強調する。
だが、昨年9月のクランクインから約1年に及ぶ撮影の中で、忘れることのできないシーンがある。
第1話「船出」(1月10日放送)の中盤。上野の国にある自らの居城・岩櫃城で織田勢を迎え討つよう武田勝頼(平岳大)に進言する場面で、昌幸は「この真田安房守がいる限り、武田は滅びません!」と語気を強めた。「あのセリフ回しで今作の昌幸が決まった」と断言するほど、草刈にとって渾身の演技だった。
「凄くキツい言い方をワンフレーズやったんですよ。あれにかかっていたんです。(カメラワークが)“引き”だと少し(印象が)弱かったんですね。(演出の)木村(隆文)さんに『これは“寄り”の方がいい』としつこく言いました。これだけは凄く印象に残っていて、オンエアされるまでドキドキしていましたね。あれで昌幸が“決まって”ブレずにここまで来れました」と熱弁する。
今作で数多く描かれた信之(大泉洋)、信繁との父子3人でのシーンについても「芝居に変な遠慮がなくて凄く楽しかったです。日本の俳優さんは気を遣った芝居をすることが多いですが、そういうことが一切なかった。それぞれが演技をぶつけ合いましたね」と感慨深げ。
父子3人以外のシーンでも“一体感”があったという真田家。「とにかく楽しいんですよ。芝居しているという感じではなかったですね」と笑顔で振り返り「頬を両手で叩くスキンシップがありますが、あのスキンシップの発祥はおとりさん(草笛光子)なんです。第2話(1月17日放送)で田んぼに助けに行った時、僕の頬をパチパチと叩いて喜んでくれた。それから真田家にスキンシップが増えました。そういうのがあると、画的にも家族だなと感じることができましたね」と撮影の裏側を明かす。
18日放送の第37話「信之」で徳川家康(内野聖陽)に降伏した昌幸と信繁。家康と直接顔を合わせ、高野山への流罪を言い渡される屈辱のシーンは見る者の心を揺さぶった。草刈は「内野くんの芝居が憎々しくて、とても重厚で、やっていて楽しかったです」と内野の演技を称賛する。
25日放送の第38話「昌幸」では、幽閉先の九度山(和歌山県)で徐々に衰えていく昌幸の姿が描かれる。真田家の“柱”として、信繁の偉大な父として「真田丸」を引っ張ってきた昌幸が、惜しまれつつもこの世を去る。