30年越し構想結実 静岡市歴史博物館、13日全面開館 駿府城周辺集客に期待

30年越し構想結実 静岡市歴史博物館、13日全面開館 駿府城周辺集客に期待

徳川家康や今川家など駿府の歴史や文化を伝える静岡市歴史博物館が、13日に全面開館する。歴史文化施設の建設構想は1980年代からあり、合併前の旧静岡市時代を含めて歴代の市長が検討を重ねてきた。市中心部の駿府城公園(葵区)沿いの旧青葉小跡地に整備し、約30年越しの悲願がかなう。市は歴史文化の発信とともに、観光交流の拠点として集客に期待をかける。 プレオープンで公開されている戦国時代の道と石垣の遺構=2022年12月下旬、静岡市葵区の歴史博物館 静岡市歴史博物館の観覧料 歴史文化施設の建設構想は旧静岡市の第6次総合計画(86~90年度)に初めて記されて以降、合併後も継続して計画に盛り込まれてきた。市によると、公立の人文系の博物館を持たない県庁所在地は少なく、施設の建設を求める市民の署名運動や市民団体からの要望もこの間あったという。 2020年には新型コロナウイルス禍で事業が一時中断される事態もあったが、22年7月のプレオープンを経て開館にこぎ着ける。田辺信宏市長は22年12月13日の定例記者会見で「昭和、平成、令和と5代にわたる市長のリレーで、いよいよグランドオープンを迎える。歴史の責任の一端を担えて安堵(あんど)している」と感慨深げに語った。 展示の目玉は家康が関ケ原の戦いで着用したとされ、久能山東照宮(駿河区)に所蔵されている甲冑(かっちゅう)のレプリカや、家康の死後に江戸時代の絵師狩野探幽によって描かれたとされる肖像画など。今川義元と義元の父氏親、祖父義忠の木像の複製品も並べる。館内にはカフェ「ハグコーヒー」が出店し、静岡産の茶葉を使ったドリンクなどを販売する。 市は全面開館に合わせ、12月20日から駿府城公園に本格的なライトアップを展開。23年1月27日に葵区内に開館予定の「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」との周遊の提案なども検討している。 歴史博物館は混雑緩和のため、観覧チケットの購入にはウェブでの日時指定予約を導入する。同博物館ホームページから申し込む。 静岡市歴史博物館のグランドオープンに合わせ、市は13~15日に多彩なイベントを繰り広げる。 初日の記念式典では、市在住のフルート奏者古川はるなさんの演奏や、同市清水区由比に伝わる「入れ太鼓」が花を添える。 14、15の両日は大道芸人や飲食店などが集まるマルシェを開催。午後7時からは、葵区清沢地区の伝統芸能「清沢の神楽」と県舞台芸術センター(SPAC)俳優が博物館内の目玉展示の一つ「戦国時代の道と石垣の遺構」の周りを舞台に演劇を披露する。観覧無料。同博物館ホームページから事前予約する。 一方、2月26日まで展開する開館記念企画展「徳川家康と駿府」では、市内の寺社が所蔵する家康ゆかりの史料を一堂に展示する。月曜休館。同展は観覧料が必要。

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