茨城県龍ケ崎市の歴史民俗資料館で収蔵品展「むかしの消防」が開かれている。江戸時代から昭和期にかけて使用されたはんてんや手押しポンプ、初公開となる消防の記述がある古文書など約40点を展示。龍ケ崎にも「いろは組」があったことなどが紹介されている。県内で火災が相次ぐ中、消防の歴史に関心を持ってはいかが-。26日まで。 同館によると、享保5(1720)年に江戸に町火消し「いろは48組」が編成されると、各地で火消し組織が結成された。龍ケ崎では弘化2(1845)年に、それまでの火消し集団が「いろはにほへとちり」の9組で構成される「消防組」に編成された。 明治22(1889)年には、市制・町村制に伴い「龍ケ崎町消防組」となり、「い」組は「一部」「ろ」組は「二部」、「は組」は「三部」などと改称された。その後、先の大戦では防空も担う警防団に移行し、戦後は町消防団、市消防団と引き継がれている。 展示されているのは、消防服がなかった時代に着用した明治から大正期のはんてんや頭巾、い組が使った江戸時代から明治期にかけての手押しポンプ「龍吐水(りゅうどすい)」、延焼を防ぐため建物を壊すために使った「鳶口(とびぐち)」などが並んでいる。 このほか、火災が発生したときの地域ごとの役割分担などが記された記述がある天保3(1832)年の古文書「諸御用留帳」が初公開されている。 同館の伊藤卓世(たかよ)さん(29)は「防災意識を高めるため、市内外の大勢の人に見てほしい」と話している。 月曜休館。開館時間は午前9時~午後5時。入館無料。(篠崎理)
茨城・龍ケ崎にも火消しがいた 歴史民俗資料館で「むかしの消防」展
