X(旧Twitter)トレンド解析システムによる解析リポートを公表していく、エリアLOVEWalker総合研究所リポート。第14弾のテーマは「お城」。今回は2023年1月1日から2023年12月31日の1年間において、X上で多くポストされた「お城」ベスト100を発表する。 「お城」言及数ランキング、TOP10の表。右端の「共起語」とは、「お城」と一緒につぶやかれたキーワード。共起語が複数つぶやかれることもある。ポジ/ネガ判定は、Xトレンド解析システムで独自に投稿の感情分析を行った結果だ。 全国各地でその街のアイコンとして定番の観光スポットとなっている「お城」。近年、戦国時代を題材にした小説や漫画、ゲームなどコンテンツが人気を博し、歴史好きな“歴女”が誕生するなど、若い女性にもお城は注目を集めている。さらに、円安の影響も重なったことでインバウンドで日本を訪れる、外国人観光客にも人気の観光スポットになっている。さぁ、どのお城がどんなキーワードと共にポストされているかランキングをみてみよう。 6位の長野県「松本城」の『石川数正』、7位の東京「江戸城」の『井伊直弼』といった、お城と関連する歴史上の人物とともに言及される例が目立っている。また、2位の大坂府「大阪城」や3位の「名古屋城」、8位「岡崎城」は、歴史コンテンツの定番、NHK大河ドラマの根強い人気から『どうする家康』の共起語が並ぶ結果となった。 Xデータで選んだお城TOP5を分析、大河ドラマやSNSゲームの舞台になりメディアの露出が多いスポットが揃い踏み⁉ 早速、Xでの投稿数でTOP5に入ったお城のランキングみてみよう。Xはリアルタイムで投稿がポストされていくので、話題となったイベントやコンテンツによってバズを起こすことが、ランキングに大きく影響する。今回のランキングでも定番スポットに加え、メディアへの露出による効果が見られた。 Xトレンド解析の月次リポート「お城」の1位を獲得したのは兵庫県「姫路城」。「白鷺城」とも呼ばれるほど、美しい白壁と天守が特徴的な日本を代表する名城で、28万5,592件もの言及数を獲得している。 人気男性グループのJO1が日本の魅力を世界に発信するプロジェクト「HOT JAPAN with JO1」の第3弾が、姫路城を舞台に展開されていることから『JO1』が共起語の33%を占めている。また、1993年にユネスコの世界文化遺産に登録されており『世界遺産』や、『国宝』といった共起語が並ぶなど、文化的価値、インバウンドを含む観光資源としての魅力の高さがうかがえる。 白漆喰で塗られた美しい城壁をもち「白鷺城(はくろじょう)」とも呼ばれる姫路城(写真: Niko Kitsakis CC BY-SA 4.0 ) 2位は大阪府の「大阪城」で、投稿数は26万7,546件。大阪城は16世紀末に豊臣秀吉が「大坂城」として築城した、その壮麗な天守閣と広大な敷地は観光客にも人気のスポットとなっており、春には美しい桜が咲き誇り、多くの花見客が訪れる地元にも愛される名城だ。 共起語にも『豊臣秀吉』が並ぶなどその関係性は強く関連付けられているが、大河ドラマの影響で『どうする家康』の共起語が使われるなど、歴史の変遷による城主の移り変わりも見て取れる。また、『刀剣乱舞-ONLINE-』の『地下に眠る千両箱』など、人気ゲームの期間限定イベントに関する言及も多くみられた。 2021年に90周年を迎えた復興天守閣(写真: Midori ) 3位は“金のシャチホコ”で有名な愛知県の「名古屋城」で、投稿数は14万6,708件。大天守の屋根に輝く金鯱(きんしゃち)から「金鯱城(きんこじょう)」「金城」の異名を持ち、日本100名城にも選ばれるなど国内でも多くの人気を集めている。 共起語では地名の『名古屋』が23%と圧倒的に多く、名古屋市のシンボルとして広く認知されていることがわかる。現天守閣解体と木造復元を一体とする「木造天守整備基本計画」に関連する、『河村市長』『財務省』『総領事館』など政治・行政に関わる共起語も多く見られ、名古屋市の中心的な位置づけにある名古屋城が関心を集めているようだ。 金のシャチホコがシンボルとして有名な名古屋城天守閣(写真: Bariston CC BY-SA 4.0 ) 4位は北海道の「五稜郭」で、投稿数は14万5,206件。北海道函館市に位置する星形の城郭で、独特な設計が観光客を魅了し、特に観光シーズンには一目見ようと多くの人が訪れる北海道有数の人気スポットだ。 そのシンボリックな城郭のデザインは美しく神秘的で、人気ソーシャルゲーム内の舞台に設定され、『Fate/Grand Order』『カルデア』などのゲーム関連ワードが共起語にピックアップ。さらに『新選組』や『永倉新八』という共起語も多くあり、土方歳三ら新選組最期の地という、歴史ファンにとっても重要なお城として一目置かれている。 星形の城郭が特徴的な五稜郭(写真: Keihin nike CC BY-SA 3.0 ) 5位は熊本県の「熊本城」で、投稿数は9万6,902件。壮大な石垣と美しい天守閣が魅力で国の重要文化財に指定されている熊本城は、2016年の熊本地震では、重要文化財の長塀が倒壊し、シャチコホが失われるなど被害があり現在も復興工事が行われている。 「熊本」の地名が最も多くみられ、一緒に「復興」「地震」といった震災と復興関連の共起語がポストされるなど、地域の象徴であり復興への想いが強く感じられる結果に。また、築城者である「加藤清正」や、熊本県のゆるキャラ「くまモン」も頻出するなど、キャラクターや歴史人物を通じて熊本城がより親しみ深い存在になっていることがうかがえる。 2016年の熊本地震の被災から復興工事を終えた熊本城の大小天守閣(写真: Suicasmo CC BY-SA 4.0) 気になるX全量データが選んだお城TOP100 […]
目次