京都宇治の老舗お茶屋「森半」が近年のお茶離れを打破する新たな挑戦。歴史とモダンを融合した空間でお茶を愉しむTEA SQUARE MORIHANを開業

京都宇治の老舗お茶屋「森半」が近年のお茶離れを打破する新たな挑戦。歴史とモダンを融合した空間でお茶を愉しむTEA SQUARE MORIHANを開業

創業188年を迎える老舗茶問屋「森半」(共栄製茶株式会社)では、「高品質で安心できる商品」と高い評価を受け、国内での販売のみならず、世界の様々な食品メーカーにも抹茶を提供しており、世界30か国、約360社に年間200トン余りの抹茶を輸出しております。 京都宇治の観光名所、平等院より車で10分。森半の伝統を受け継ぎつつ、 「お茶の文化を体験できる場を提供したい」という新たな挑戦として2023年6月に「TEA SQUARE MORIHAN」(ティースクエアモリハン)がオープンしました。 現在、若者の”お茶離れ”が問題視される中、「TEA SQUARE MORIHAN」ではお茶を身近に体験できる空間として、新たな魅力を提供しています。 (左上)TEA SQUARE MORIHANのロゴ(右上)TEA SQUARE MORIHANの外観 (左下)蔵カフェ (右下)菓子工房のお菓子とドリンク おかげさまでオープン以降、世代を問わずたくさんのお客様にお越しいただいています。オープンから 1年たった今でも来店者の数は増加しており、多くのお客様に「TEA SQUARE MORIHAN」でお茶を身近に体験していただいています。 今回のストーリーでは、開業に至った背景や目指した理想、そしてコロナ禍での苦難を振り返り、どのように新たなコンセプトを実現したのか、「TEA SQUARE MORIHAN」開業から1年がたった今、施設がオープンしてからの経験を通じて、地域社会やお客様にどのような影響を与えてきたのか。その成果と課題、森半の目指すビジョンについて「TEA SQUARE MORIHAN」開業に携わった代表取締役 森下康弘とその妻である執行役員 森下庸子、そして現在の取締役社長 西坂太、当社の茶師兼専務 菊岡勝の4名にインタビューしました。 (写真左)西坂社長(写真右)森下代表 ー 歴史を守りながら新しい挑戦を。明治から代々受け継がれてきた母屋を活用し、お茶を愉しむ広場へ ー 老舗茶問屋「森半」の伝統継承と新たな挑戦 ーTEA SQUARE MORIHANの開業に至ったきっかけはありますか? 森下代表: 3代目の森下半三(後に安之助を襲名)が、明治の中頃である140年ほど前に建て替えて、代々受け継がれてきた母屋があり、両親の他界がきっかけでお客様にもご覧いただきたいという思いがありました。両親も生前「この歴史を残しておきたい」と言っていました。 そこで、海外企業のお客様が当社にお越しくださった際は、お茶工場とこちらの母屋を紹介していました。お客様は、歴史ある建物を非常に喜んでくださったり、伝統を継承している価値を高く評価してくれました。私は、 この建物を活用して森半の歴史を守りながら新たな挑戦に取り組もう とTEA SQUARE MORIHANの開業を決意しました。 (写真)茶室の庭 西坂社長: 弊社はOEMとしての抹茶・リーフ茶・プレミックスなどの原料供給が多いですが、もっと自社ブランド製品も広めていきたいという思いもあり、この創業の地である京都宇治から森半のブランディングを高める狙いもありました。 1年中お茶を体験できる広場へ 森下代表: 茶畑を実際に見たことある人って100人に1人もいないと思うんです。また、お茶を摘む新茶の時期も5月のワンシーズンだけ。お茶の工場に行っても機械が動いているだけで私たちがよく目にする”茶葉”になるまでの製造工程を目で見ることは難しいんです。そこで、人生でなかなか見る機会のないお茶の畑をもっと身近で分かりやすく体験できる場所にしたいと思っていました。人の目を引くものを作るというより、お茶をどれだけ分かりやすく伝えられるかを意識して設計しました。また、おしゃれなアートというより、当時の生活感や歴史を感じていただける建物を目指しました。 […]

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