『コウノドリ』『ハコヅメ』の作者は、なぜ新連載のテーマに「歴史モノ」を選んだのか

『コウノドリ』『ハコヅメ』の作者は、なぜ新連載のテーマに「歴史モノ」を選んだのか

人気マンガ家2人が語る“連載終了”のリアル「明日から何をしようかと」「私はずっと勉強しています」 から続く 人気漫画『コウノドリ』と『ハコヅメ』の作者である鈴ノ木ユウさんと泰三子さんへのインタビュー。後編となる本稿では、現在、二人とも過去の時代を舞台にした作品に取り組んでいる(鈴ノ木ユウさんは『週刊文春』にて司馬遼太郎の『竜馬がゆく』のコミカライズを連載中。泰三子さんは、歴史物の漫画を準備中だが、その詳細は現段階では非公開)ということで、歴史をテーマに話を聞いた。 まずは、二人が歴史に興味を持ったきっかけの話から始めよう。泰さんは、以前、とあるインタビューで「初恋の人は藤原道長」と答えていたのだが、どういった心境だったのだろうか。(全2回の2回目/ 前編を読む ) 「友だちが少ない石田三成が好き」 ――お二人が最初に歴史に興味を持ったきっかけについて教えてください。 泰 私は、子どもの頃から読んでいた『まんが日本歴史』(小学館)ですね。 ――何巻もあるやつですよね(現在全20巻)。あれを何度も読む感じで? 泰 そうですね。それで興味のあるところは、図書館で調べたりして。 鈴ノ木 僕も一緒で、子ども向けの歴史漫画ですね。僕の場合、一冊ずつに人の名前がついているタイプでしたね。ただ、買ってはもらえなかったので、図書館で借りて、何度も読んでいました。 ――過去のインタビューで、泰さんの初恋の人が藤原道長であると拝見したのですが、これはどういう心境なんですか。 泰 藤原道長との出会いは小学校の低学年だったと思うんですけど、やっぱり文化的なパトロンをやっていて、政治的にも娘を偉い人に嫁がせて自分が上にいくというところに、なんかそそられたんでしょうね。 ――なんか贅沢なところに惹かれたんですかね。 泰 したたかな男性が好きだったんでしょうね。 ――したたかですか(笑)。今はちがいますか? 泰 今は石田三成です。 ――それはどのあたりが? 泰 子どもに「石田三成の友達ってなんて名前だっけ?」って聞かれて「西軍の大将だから友達いっぱいでわかんないよ」って答えたけど、グーグル先生に尋ねたら大谷吉継ひとりしか出てこなくて好きになりました。あ、友達少なかったんだって(笑)。 ――友達が少ないから好きになったんですか(笑)。鈴ノ木さんも昔から歴史が好きで。 鈴ノ木 大好きでしたよ。理科の自由研究で日本地図に戦国武将のイラストを描いて出しました。そしたら、これはよく描けているけど理科じゃないよって言われたのを覚えています(笑)。 ――鈴ノ木さんの初めて好きになった歴史上の人物は誰ですか? 鈴ノ木 誰でしょう。藤原道長ではないですね。 泰 ちがいますか(笑)。 鈴ノ木 僕、源義経かもしれません。牛若丸が源義経だと知らずに『牛若丸』を読んでいて、牛若丸が源義経と知って大好きになりましたね。あとは遠山金四郎です。そのあとは坂本竜馬が好きになって、大学に入ったとき、尊敬する人に坂本竜馬とジョン・レノンと書きましたね。 幕末という時代の魅力 ――鈴ノ木さんは、現在、幕末を舞台にした『竜馬がゆく』を手がけていますが、この幕末という時代がもっている魅力は何だと思いますか? 鈴ノ木 幕末って、おじいちゃんのおじいちゃんぐらいが生きていた時代じゃないですか。だから身近に感じられるような部分がありながら、今では考えられない変化があったりする。どこか自分とつながっているんじゃないかと思えて、そこで自分だったらどっち派(新政府側か幕府側か)かなと想像してみて。ま、結果、僕はどっちにもいかないな、傍観かなって思ったりできるのが魅力ですかね。 泰 どっちにもいかないの、正しいですね(笑)。 ――泰さんは、幕末の魅力はどこにあると思いますか? 泰 今まで経験したことのないような国のピンチで、通常では考えられない天誅とかテロとかいっぱい起きたと思うんですけど、そういった非常時に、いろんな人がどういう動きをしたのかを、俯瞰で見られるのが楽しいんだと思います。 ――なるほど。 泰 もっと突き詰めていくと、それぞれの立場で行動した人たちには、どういうリーダーがいて、そのリーダーたちは、どういう生い立ちで、どんな育ち方のちがいがあったから、こういうことをしたのかと。そういった比較を積み上げていくのが楽しさじゃないですかね。 […]

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