NHK大河ドラマ「真田丸」ストーリー紹介
第9回「調略」
梅とのふれあいを通じて、大人へと成長していく信繁
【ストーリー(あらすじ)】
北条・徳川・上杉、大勢力を前に暗躍する昌幸の知謀
本能寺の変から2カ月後。上杉との戦いを避け南下した北条氏直は、甲府で家康の軍と対峙することとなります。焦った家康は新府城を拠点に立て直しを図り、家臣・本多正信は信濃一の兵力を誇る真田家の力を借りることを提案するのでした。
そのころ、上杉景勝は謀反人・新発田重家を成敗するため春日山城に帰還。新発田の制圧後、北条を討ちに向かうことに決意を固めていました。ところが重臣・直江兼続は、今は足元を固める時、と進言。表面上は同盟を通している信尹が、裏では昌幸と通じて上杉を裏切っていると以前から疑っていたのでした。
そして、そのすんでのところで城を抜け出す信尹。
真田では、昌幸が出浦昌相に信濃国衆をまとめて寄合の自治国家をつくる案を打ち明けます。そして、室賀正武との橋渡し役を依頼。また、昌幸は北条の徳川潰しには加勢しないと語ります。出浦は昌幸の意向を尊重。しかし、それを横で聞く信繁は、春日調略の一件以降、昌幸に反発を抱いているのでした。
そんな信繁に出浦は昌幸の器の大きさを語り、諭します。
信繁に対し、「お前は優しすぎる。もっと強くなれ」とも語る出浦。
そして、昌幸は信繁を置いて、出浦、信幸、高梨内記とともに室賀の説得へむかいます。そこでいつも昌幸に反論を唱える室賀も、何故か今回は乗り気になります。
成長していく過程の信繁
一方、気落ちした信繁を慰めようと明るく話しかけるきりですが、上手くいきません。こんな時、信繁が会いたい女性は梅なのでした。
梅は信繁の話を聴き、春日を討たせた昌の意図は、人の命をできる限り損なわないための考えでは?と語ります。梅に慰められた信繁は、「お前はなくてはならない人だ」と告げるのでした。
独立大名への希望が真田家に
昌幸は、出浦、室賀とともにその他の国衆たちを集めますがなかなか賛同は得られません。そこで昌幸に対して、「昌幸こそが独り立ちし、大名となるべきだ」と語る出浦。思い悩む昌幸のもとに、北条との戦いに挑む徳川家康から、手を結ぶよう要請の文が届きます。
そこで閃く昌幸。今度は徳川を利用して、自らが国主として信濃・上野(こうづけ)を治める目標を立てるのでした。(※国衆の寄りあい国家の件をあっさり諦めた。という昌幸に信幸はまたかと呆れ返ります。)
新府城の家康との調整役には、弟・信尹を遣わす昌幸。冷静な信尹は、徳川に加勢する代償として信濃の諏訪と甲斐にも所領を求め、さらに上野の沼田も真田のものと認めるよう、徳川に対して約束を取り付けます。この沼田領安堵こそ、後の昌幸・家康の火種になるのでした。
昌幸の寝返りは北条氏政の耳にも届きますが、まずは、徳川との戦いに専念するつもりの氏政。ですが、昌幸が徳川についたことで、小県の国衆も次々と北条から徳川に乗り換えていきます。
この時、室賀は昌幸の真意も知らず、徳川への加勢も寄りあい国家への布石と、相変わらず国衆の説得を続けます。
そして、信濃国衆が徳川家康のために挙兵する時がやってきます。定石は北条の要である内山城攻めですが、信繁は兵糧攻めを提案。兵糧や武具を運ぶ北条の隊列を、碓氷峠の後に通る小諸で襲えば、労せずして北条を負かせるという戦法でした。この作戦は見事に成功し、徳川はこれを機に、数で勝る北条軍より優位にたてることになります。
まさかの北条・徳川同盟が成立
ですが、戦略の練り直しを迫られた氏政は、徳川との和睦を画策。数で劣る家康がそれに応じてしまうことで、信濃・上野は徳川と北条で分けることに。
その報に愕然となる昌幸でした。
【見どころ】
信長死後におこった、北条・上杉・徳川の武田旧領地刈り。いわゆる天正壬午の乱のエピソードが今回も続きます。結果、上手く渡り切った昌幸は、本当に大名としての地位を確立していきますが、家康との遺恨は後のストーリーにも大きな絵影響を及ぼします。また、信繁の葛藤や成長も描かれるのは、この時の信繁(天正10年)がまだ元服前の少年であるため。なので、堺さんのことは15歳くらいのつもりで見て下さい。(※前髪をたらしているのが、真田丸の中でそのうち取れるかと思います。)